コピペ卒業:エクスプレッションを“意味”から
ネットで拾ったwiggleを貼るだけ——それでも動きますが、少しズラしたいときに手が止まります。
After Effects のエクスプレッションは、4つの基本を“何をしているか”から理解すれば、自分で書けるようになります。
(Premiere Pro から広げる Adobe シリーズの第一弾です)
time・wiggle・loopOut・linear の4つについて、
「引数が何を意味するか」を理解し、コピペを卒業して自分で調整・応用できるようになること。
エクスプレッションとは
エクスプレッションは、プロパティ(位置・回転・不透明度など)に差し込む小さな JavaScript のコードです。 キーフレームを手で打つ代わりに「こう動け」と数式で指示することで、繰り返しやランダムな動きを一瞬で作れます。
プロパティのストップウォッチを Alt(Option)+クリックすると、エクスプレッションの入力欄が開きます。ここに書いていきます。
① time —— 一番シンプルで強力
time は「再生開始からの秒数」を返すだけの値です。これをプロパティに掛けると、止まらない一定の動きになります。
time * 360を回転に入れる → 1秒で1回転し続ける。time * 100を位置のX成分に入れる → 毎秒100pxずつ進み続ける。
意味さえ分かれば、数字を変えるだけで速さを自在に調整できます。
② wiggle —— ランダムに揺らす
手ぶれや、ふわふわした揺れを作る定番。書き方は wiggle(頻度, 振幅) の2つの引数だけです。
- 頻度(frequency):1秒あたり何回動くか。
- 振幅(amplitude):元の値からどれだけズレてよいか。
たとえば wiggle(3, 50) は「1秒に3回、最大±50の範囲でランダムに揺れる」という意味。
“なんとなく揺れてる”ではなく、2つの数字の意味で完全にコントロールできます。
③ loopOut —— キーフレームを自動で繰り返す
キーフレームを2〜3個打ったあと、末尾に loopOut() を書くだけで、その動きが最後まで自動でループします。
キーフレームを手でコピペして並べる必要はありません。跳ねる・点滅する・回転する、といった反復モーションが一気に楽になります。
④ linear —— 値を別の範囲に“翻訳”する
linear は、ある値の範囲を、別の範囲へなめらかに対応させる関数です。書き方は
linear(t, 入力min, 入力max, 出力min, 出力max)。
たとえば「不透明度(0〜100)に合わせてスケールを80〜120にしたい」なら、
linear(opacity, 0, 100, 80, 120) のように、あるプロパティの動きを別のプロパティに連動させられます。
これを覚えると、手数をかけずに複数の要素を一体で動かせるようになります。
wiggle(3, 50) の 3 と 50 が分かれば、それはもう“自分のコード”です。公式の
「エクスプレッションの例」ページを辞書代わりにするのがおすすめです。
まとめ
エクスプレッションは魔法ではなく、「値をどう動かすか」を数式で書いているだけ。
time(進み続ける)/wiggle(揺らす)/loopOut(繰り返す)/linear(連動させる)——
この4つの“意味”を押さえれば、コピペ頼みから抜け出して、狙った動きを自分で組み立てられます。
一次情報(英語)
Adobe公式:After Effects expression examples →School of Motion:Getting Started with the Wiggle Expression →
Dan Ebberts:Expressioneering Design Guide →
この記事は英語の一次情報をもとに検証・再構成したものです。手順はバージョンにより表記が異なる場合があります。