マルチカム編集の基本
同期・アングル切り替え・仕上げ
2台以上のカメラで撮った映像を、再生しながら数字キーでアングルを切り替える——これがマルチカム編集です。 対談・ライブ・演奏など“同時に起きたこと”を、スイッチングするように編集できます。手順とつまずきどころを一気に整理します。
撮影時の“たった一つ”の準備
マルチカム成功の9割は撮影で決まります。それは全カメラで同じ音を録っておくこと。 各カメラの内蔵マイクをオンにして共通の音(会話・拍手など)を拾っておけば、あとで音声波形でピタッと同期できます。 この音は同期用なので、最終的には良いマイクの音に差し替えてOKです。
手順:同期からシーケンス作成まで
- カメラごとに色ラベルを付ける プロジェクトパネルでクリップに色ラベルを。後で「どれがどのカメラか」が一目で分かります。
- クリップを選んで同期 複数クリップを選択 → 右クリック →「マルチカメラソースシーケンスを作成」。同期方法を選びます。
- 同期方法は“音声”が基本 タイムコードが揃っていれば「タイムコード」、そうでなければ「オーディオ(波形)」で自動同期。個人撮影は音声同期が現実的です。
- 編集用シーケンスを作る できたマルチカメラソースクリップを右クリック →「クリップから新規シーケンス」。各カメラがトラックに並びます。
数字キーでスイッチング
プログラムモニターの「マルチカメラ表示」ボタンをオンにすると、全カメラが分割表示されます。 あとは再生しながら、キーボードの数字キー(1・2・3…)を押すだけ。押した瞬間にそのカメラへ切り替わり、まるで生放送のスイッチャーのように編集できます。
- 録画(切り替え記録)してから、後で細部を微調整する流れが基本。
- 切り替えた点はカット編集点として残るので、後からアングルの差し替えも可能。
- 切り替えは映像だけ。音声は良いマイクのトラックに固定しておくと安定します。
仕上げのコツ
- 切り替えすぎない:頻繁に切ると目が疲れる。会話の“番”で切るのが自然。
- J・Lカットと併用:音を先/後に流すと、アングル切り替えがなめらかに(J・Lカットの記事)。
- 色を揃える:カメラごとに色味が違うので、最後にカラーを合わせる(Lumetri徹底解説)。
- 重ければプロキシ:多カメラは重い。プロキシ運用で軽くしましょう。
・どれがどのカメラか分からない → 事前に色ラベル。
・切り替えが効かない → マルチカメラ表示がオンか、シーケンスが正しく作られているか確認。
・カクつく → プロキシ+再生解像度を下げる。
よくある質問
カメラは何台まで同期できる?
実用上は数台〜十数台まで可能です。増えるほど処理は重くなるので、プロキシ運用が前提になります。まずは2〜3台で流れを掴むのがおすすめです。
タイムコードと音声、どちらで同期すべき?
業務用機材でタイムコードが揃うならタイムコードが確実。個人撮影で機材がバラバラなら音声波形同期が現実的です。共通の音さえあれば十分な精度で合います。
後からアングルを変えられる?
変えられます。切り替え点を選んで別カメラに差し替え可能。まずラフに切り替え記録し、後から丁寧に直す流れが効率的です。
まとめ
マルチカムは「共通の音を録る → 音声で同期 → マルチカメラ表示 → 数字キーで切り替え → 後から微調整」。 一度流れを覚えれば、対談やライブが驚くほど速く、そして“プロの番組っぽく”編集できます。まずは2カメラから試してみてください。
一次情報(英語)
Adobe公式:Create multi-camera source sequences →Pixflow:Multicam Editing Complete 2026 Workflow →
MASV:Guide To Multicam Editing →
この記事は英語の一次情報をもとに検証・再構成したものです。UIや名称はバージョンにより異なる場合があります。