カット編集の基本
切って・詰めて・テンポを作る
編集作業の8割は「いらない所を消す」こと。逆に言えば、カットさえ気持ちよくできれば、動画は一気に見やすくなります。 この記事では、最初の1本で触れた切り方を一歩進めて、 トリム・リップル削除・時短ショートカットまで、初心者がまず押さえる基本をまとめます。
なぜカットが大事なのか
撮った素材には、必ず「間(ま)」や「言い直し」「無音」が含まれます。これをそのまま出すと、見る人はすぐ飽きて離れます。 いらない所を削ってテンポを作る——それだけで「見やすい動画」になります。派手なエフェクトより、まずカットです。
基本の道具(おさらい+α)
使う道具はほんの数個。ショートカットで手が覚えると、作業スピードが何倍にもなります。
| 道具 / 操作 | キー | できること |
|---|---|---|
| 選択ツール | V | クリップを選ぶ・動かす・端を伸縮 |
| レーザーツール | C | 再生ヘッドの位置でクリップを切る |
| 編集点を追加 | Ctrl/Cmd + K | レーザーに持ち替えず、再生ヘッドの位置で切る(速い) |
| 再生ヘッドまで前を削除 | Q | クリップの頭側を再生ヘッドまで削って詰める |
| 再生ヘッドまで後ろを削除 | W | クリップのお尻側を再生ヘッドまで削って詰める |
Ctrl/Cmd + K は「レーザー(C)に持ち替えて切って、また選択(V)に戻す」を1キーで済ませる技。カットが速い人はだいたいこれを使っています。
「削除」と「リップル削除」の違い
ここが初心者のいちばんのつまずきポイント。同じ「消す」でも2種類あります。
| ふつうの削除(Delete) | リップル削除(Shift+Delete) | |
|---|---|---|
| 結果 | 消した所がすき間(空白)として残る | 消して、後ろのクリップを前へ自動で詰める |
| 向いている場面 | 後で別素材を差し込む予定がある | 不要部分をどんどん削ってテンポを作る(基本こちら) |
カット編集ですき間を残さないなら リップル削除(Shift+Delete)。右クリックメニューからも選べます。まずはこれを手に馴染ませましょう。
トリムで端を微調整する
カットは「バッサリ切る」だけではありません。クリップの端を選択ツール(V)でドラッグすると、始まり・終わりを少しずつ伸ばしたり縮めたりできます。これがトリム。
「もう少し手前から始めたい」「語尾を少し残したい」といった微調整はトリムで。リップルトリム(端をドラッグしたぶん後ろが詰まる)を使うと、すき間を作らずに長さを整えられます。
テンポの作り方
いいテンポの正体は「無駄な間を削ること」です。目安はこの3つ。
- 話し出す直前・言い終わった直後の無音を削る。
- 「えー」「あの」などの言いよどみ(フィラー)を削る。
- 同じ内容の繰り返しや言い直しは、良いテイクだけ残す。
削りすぎると逆に忙しなくなるので、呼吸のための短い間は残すのがコツ。慣れてきたら、音と映像をずらして自然につなぐ J・Lカット(中級)に進むと、会話がぐっと自然になります。
・間違えて別のクリップまで動いた → Ctrl/Cmd + Z で戻す。詰めるのは「リップル」系だけと意識。
・切る位置がズレる → 再生ヘッドを合わせてから Ctrl/Cmd + K。フレーム単位は矢印キーで移動。
・音だけ/映像だけ切りたい → クリップの「リンク」を解除(右クリック→リンク解除)してから操作。
よくある質問
まず覚えるべきキーは?
Ctrl/Cmd + K(切る)、Shift + Delete(リップル削除)、V(選択)、C(レーザー)。この4つでカットの大半が回ります。Q/W は慣れてきたら追加しましょう。
リップル削除とふつうの削除、どっちを使えばいい?
テンポを作るカット編集では基本「リップル削除」。すき間を空けて後で別素材を入れたいときだけ、ふつうの削除を使います。
音と映像を別々に切るには?
クリップを右クリックして「リンク解除」すると、映像と音声を独立して切れます。会話を自然につなぐJ・Lカットの下準備にもなります。
まとめ
カット編集は「切る(Cmd+K)→ リップル削除で詰める → トリムで微調整 → 無駄な間を削ってテンポを作る」。 派手な機能はいりません。この基本の反復だけで、動画は見違えるほど見やすくなります。 手がキーを覚えるまで、まずは1本、最後までカットしきってみましょう。
メニュー名やショートカットはバージョンや言語設定・キーボード設定により異なる場合があります。まずは手を動かして体で覚えましょう。